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2017年06月24日

第68回京都薪能 2日目

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本日の演目「野宮」に合わせて、葵柄の小紋に車争いを思わせる絵柄の帯に女面の帯留にしました。13-693.jpg
今回は、女性が主人公となるのは、「野宮」のみです。火入の後の、刻々と暮れ始める絶妙な時間帯です。13-692.jpg
開演前に、楽屋前に出ていらした「野宮」シテの河村晴道さんにばったり遭遇してしまい、うれしくなって声を掛けてしまいました。「葵上」の御息所と違い、「野宮」は、静かなたたずまいが魅力の御息所です。御息所の妄執が、ゆらゆらとたゆたう薪の炎と相まって、なんとも堪りません。
一つ目の「弓八幡」半能だったのが残念でした。
狂言は、祇園祭を題材とした「鬮罪人(くじざいにん)」長い演目でした。千三郎さん演じる太郎冠者が、なんともかわいらしく感じました。ラストは、「小鍛冶」頭の上の狐が可愛いくて、スリムな金剛龍謹さんにぴったりといったところでした。
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昨晩、雨がしっかり降ったので、すっきりしたお天気となり、暮れるにつれ肌寒くはなりましたが、屋外らしさを味わえてよかったです。雨天の場合は、ロームシアター京都になるので、一度観てみたいとも思うのですが、やはり平安神宮で見る薪能は美しいですから、晴れた方がいいですね~。双眼鏡で見ると、シテ方の背後に大極殿の屋根が大きく映り、なんとも雄大で雅です。また来年も観る事が出来ますように!

2017年06月21日

第68回京都薪能 1日目

今年も恒例の京都薪能に行ってきました。13-686.jpg
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「神出鬼没 幽冥(ゆうめい)巡礼」をテーマに、舞台はすべて京都でした。一日目は、「田村」をイメージした装いで出掛けました。13-689.jpg
紫地の抽象柄の小紋に修羅物の人物の描かれた帯。厳密に云うと源平物が描かれているのですが、まあ、田村も修羅物なので…。帯留は清水の桜を愛でるというシーンなので、桜にしてみました。
三十分開演時間を遅く設定されたようですが、常連組には、あまり関係ないようで、年に一度、お会いする方々と談笑するうち、やっと会場入り。今年はあまり暑くなく天候もよくて、幸いでした。13-691.jpg
もっとも、一つ目が「加茂」で、別雷の神が出ていらっしゃるものですから、一天にわかに搔き曇りはせぬかと心配はしましたが。
ナビ狂言なるものが演目の前に入り、楽しく解説するという新たな演出がなされて、なかなかいい感じでした。難点は、トイレ行く間がないといったところですね~。
桜の時期に清水寺を訪れ、「田村」の予習をしておいたので、その時の情景を思い出しつつ鑑賞出来ました。狂言は「鞍馬参り」。鞍馬を訪れた時は、ケーブルが止まっていたので、徒歩にて参詣することになり、結構な山道を歩く事になりましたが、狂言だと、あっという間に着いてしまうのがいいですね~。「舎利」泉涌寺の舎利殿が舞台となる演目で、ラストの演目にふさわしい派手な立ち回りです。第61回に金剛流で観ています。舎利殿の天井を蹴破って、足疾鬼が空を飛んで逃げるというシーン。実際には舎利殿をぐしゃっと踏み潰す足疾鬼という演出になるのですが、実際の舎利殿が踏みつけられたように感じて、ぎゃっとか思ってしまえるのがいいですね。自宅に帰って少ししてから土砂降りの雨となり、なんとも絶妙なタイミングの一日目でした。