2014年03月07日
第48回京の冬の旅 建仁寺 正伝永源院
冬の旅 6つ目は、建仁寺 正伝永源院です。建仁寺の真北に位置する寺域外塔頭で、もともとは、正伝院と永源庵という別個の塔頭寺院でした。
正伝院は鎌倉時代の創建で、開基は建仁寺第十二世義翁紹仁です。荒廃していたところ、大坂冬の陣ののち隠栖した信長の弟 織田有楽斎が元和4年(1618年)に復興、茶室「如庵(じょあん)」を建て、茶道三昧の日々を過ごしたとの話です。
永源庵(えいげんあん)は南北朝時代の創建で、開基は建仁寺第三十九世無涯仁浩です。細川頼有がこの無涯仁浩を師として禅に帰依したことが縁で細川家の菩提寺となりました。
明治初年の廃仏毀釈の際に、永源庵は無住であったため、廃寺となりましたが、建仁寺の真北に位置する寺域外塔頭だったため、すぐには、堂宇が破壊されず、廃仏毀釈を生き残った正伝院がこの永源庵の跡地に移転するとことなったそうです。そして細川侯爵家の菩提寺たる永源庵の名を絶やすには忍びないという事で、寺名を旧両塔頭の名を合わせた正伝永源院と改め今日に至っているとの事です。
狩野山楽の蓮鷺図が、右から左へ、蕾から枯れた様子へと移ってゆくように描かれていて見事です。山楽の鍾馗図、千利休作の象牙の茶杓、英一蝶の弁財天図など寺宝も特別展示されていました。また、現在の細川の殿が京の夜の四季を描いた襖絵や、茶碗も展示されていました。
- by zuzu
- at 14:21
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