2013年11月14日
今様合松殿十五ヶ日
11月15日(金)まで宇治市木幡の松殿山荘で開催されている「今様合松殿十五ヶ日」を、見に行ってきました。
時折、時雨たりする肌寒い日でしたが、白拍子にちなみ、烏帽子柄の帯を締めてみました。
こちらは、平安時代松殿と呼ばれた藤原基房の旧邸跡地で、4万坪に及ぶ広大な敷地を有しているそうです。
現在の建物は大正期に高谷宗範氏が設計したもので、宗範を祖とする茶道「山荘流」の所有となっています。
こちらの30畳の大書院で今様合(いまようあわせ)が催されます。
額は宗範78歳の字だそうです。解説の後、関係者の入場です。
フラッシュなしで、節度を保った撮影はOKとの事です。節度というのが結構難しいのです。つい激写したくなるので・・・。
左右4名ずつの歌人が向い合せに並び、センターに提出された今様を読み上げる講師(こうじ)が2名、諸役(道具を配るなどの雑務)を務める白拍子が脇に控えます。
最後に勝敗を判定する判者(はんじゃ)が席に着かれます。
貴族たちが左右の組に分かれ、さまざまなものの優劣を競って遊んだという「「合せもの」。
承安4年に後白河院が今様合を十五夜連続で行ったという資料に基づき、開催されている催しだという事です。
歌人たちに硯と色紙が配られます。
本日の詠題が講師によって示されます。「風」となりました。(確かに後ろのお庭から風音とすきま風が・・・。)
各々、墨をすり、作歌染筆してゆきます。和歌は五・七・五・七・七ですが、今様の方はさまざまな形があるようです。代表的な詩形は七五調四節(七・五・七・五・七・五・七・五)となります。
歌人の一般募集が行われていたので、思わず参加したい!とか思ったのですが、いろいろ素養が必要で、結構大変そうじゃない・・・。
書き上げた歌人は畳に紙を置き、待ちます。
最初に詠題と氏名が記され、その後、歌が書かれています。ふりがなも打たれている様子。
向い合せて座っている歌人どうしがそれぞれの対戦相手となります。上座左方の歌人の歌から詠み上げられてゆきます。
判者が思案。右方の勝ちとなりました。
講師が、勝った側の歌を詠み、その歌詞に合わせて即興の舞が舞われます。
二番目の歌人たちの歌も同様に勝敗が決められ、また勝った右方の白拍子が舞を舞います。
勝敗は手前に置かれた松の台に鶴、亀を乗せていって、表されます。
三戦目は、「持(じ)」(引き分け)となりました。
左方の歌をもう一度聞きたいという事で、左方の白拍子が舞います。
最後四番目の歌人が歌を披露。
ここまでが、宴座(えんのざ)と呼ばれる正式のあらたまった宴。ここから、穏座(おんのざ)という式後のくつろいだ宴となりました。
今様と白拍子の舞「きくに心のすむものは」
最後に、後白河院編纂の「梁塵秘抄」から 遊びをせんとや 生まれけむ~♪の歌を観客含め全員で詠ってお開きとなりました。
雅な会を満喫しました。欲を言えば、後白河院(松田翔太)もいらしてたら良かったのに~なんて思ってしまいました。
- by zuzu
- at 10:17
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