2013年06月07日
2013 第64回 京都薪能 第2日目
第64回 京都薪能 第2日目
観世流能「賀茂」
観世流半能「三山」
大蔵流狂言「首引」
金剛流能「大江山」
2日目は、休日とあって、着物で出掛けました。葉っぱ柄の単衣小紋の着物に童が舞を舞っているデザインの塩瀬名古屋帯にしてみました。
今回は12時半に着いたので5番目に並べましたが、4時半開場までの長丁場、平安神宮門前脇で着物での座り込み、我ながら毎年ようやるわ~て感じです。
さすがにこのような時間からやってくるのは常連組で、見知った顔ぶれが多いです。
ようよう開場となり、好きな席も取れて、ルンルンお弁当です。
太子道の魚常さんにお願いしました。
おお、今年はゴージャス版です。
能「賀茂」は、賀茂神社の由緒を題材にした、脇能です。昨日も上賀茂神社が舞台となる「班女」が上演されましたが、背景を想像しやすい演目は入り込みやすくていいですね。まあ、時代は違うのですけど。角(すみ)柱とキザハシの間の席に座ったので、シテ方が、舞台前方に進み出てこられると、真ん前になり、面の中の演者と目が合ったような気がしてなにやらドキドキしてしまいました。
半能は「三山」 畝傍・耳成・香久の大和三山に住む一男二女の三角関係の物語。若い桜子をそねむ年増の桂子。能面の下に演者のがっちりした顎が見えているにもかかわらず、舞台にのめり込むうちに、美しげな女人のいさかいに見えてしまうのは、能面のせいか、演技力の成せるわざか。桂の枝や桜の枝で打ち合う様はなんとも風雅です。
確か少し前までは、舞台を仕切っていた竹の柱は4隅だけでしたが、このところ向かって右側手前にワキ柱が立ち、地謡の方々の座る地謡座が仕切られたようです。かつては後方に座ると、演者の声が聞き取りにくかったのですが、マイクも多くてクリアになったのか、後ろの方にいてもよくわかるようです。今回1日目は囃子方席は、笛の上方にのみマイクがぶら下がっっていたのですが、2日目は太鼓の上の方にもぶら下がりました。日々、工夫されているのですね。桟敷の板張り席が無くなって、パイプ椅子が隙間なくびっしり並べられてしまったのは、かなり窮屈になってしまいましたが・・・。日本人の体格は向上しているので、パイプ椅子の巾では収まらない人が増えているようですし、外人さんも多いので、完全に無理があるようです。考慮して頂きたいところです。
狂言「首引」 娘を持つ鬼が、なかなかイケメンの若者を捕えます。まだ人間を食べた事のない娘の「お食い初め」にしようと生け捕りにして、娘を呼び出します。花も恥じらう娘盛りの姫鬼は、生きた若者が怖いやら、気恥ずかしいやら、なかなか食う事が出来ません。若者は何とか難を逃れようと、姫鬼と力比べをして、負ければ食われよう、勝てば命を助けてくれと交渉します。腕押し・すね押しそして首引きと勝負する様が、愉快な演目です。
エンディングは、能「大江山」 源頼光さん、平井保昌さんらの鬼退治の話です。この曲目はワキ方が大活躍します。シテ方は面をつけてらっしゃるので、私としては演者個人を意識しにくくて鬼そのものとか思ってしまうのですが、ワキ方は素のままで演じられるので、個人を認識しやすくて、身近に感じてしまいます。頼光さんたちが、鬼をやっつけた時には、思わず「きゃー、頼光さん~、原さん~」って拍手してしまいそうでした。何せ、鉢巻などを凛々しく締めてらっしゃって、立ち回りなどされると、かっこいいのなんのって・・・。今度お見かけしたらサインしてもらおうかしらんなんて、ほとんどミーハーです。
かくして、2日間に亘る薪能も興奮の内に、無事終了しました。立ち上がって後ろを見回すと、すぐ後ろの方たちは、上京薪能でもお見かけした日本人より日本人らしいお着物外人さん方でした。
- by zuzu
- at 17:43
comments
なんと、2日目は4時間待ちですか。
凄い根性ですね。
でも、それだけ魅力があるのだろうな。
お弁当も豪華で良いですね。
演目中の写真は不可なのですか。
まあ、フラッシュをバシャハジャとされたら、
たまったもではないものね。
いつかは見てみたいイベントの一つです。
開場されてから開演まで、さらに1時間あるので、お酒飲みながら、お弁当タイムです。
以前はフラッシュなしなら、撮影OKだったのですが、守らない人も多く、今は完全禁止になってしまい、残念です。
最前列は、報道カメラが先にセンター位置などおさえてしまっているので、残りの席を取るには、門前で3,4時間は必要です。
この薪能は、割安で、盛りだくさんなので、おすすめです。ぜひ観てください。