2012年10月12日
「西陣くらしの美術館」冨田屋さん見学
9月9日は重陽の節句でしたので、今年も菊の花びらを浮かべたお酒と料理で楽しみましたが、営業日の為、京都の行事には参加できず、残念でした。
大宮通一条上ルにある「西陣くらしの美術館」冨田屋さんでは、9月9日から10月9日まで、重陽の節句と題して、見学会を催されていたので、菊慈童の絵柄の着物を着て出掛けてみました。
「国の登録有形文化財の指定を受けたのを機に「西陣くらしの美術館」として公開をされいるこちらは、日々生活をしてらっしゃる町屋です。
伏見で両替商を営んでいた冨田屋さんが、鳥羽伏見の戦いで焼け出され、西陣に移り住み、呉服商を営むようになり明治十八年にこちらを建てられたそうで、現在の当主で十三代目という事です。
細部が凝った造りになっています。
日常使いの井戸と神様専用の井戸があり、多くの神様を祀ってらっしゃるこちらでは毎朝、家中の神さんごとから一日が始まるといった代々受け継いできた風習やしきたりを守って生活してらっしゃるそうです。
お倉が二つあり、こちらの奥のお倉は神様のお住まいだそうです。漆塗りの扉の前には、「被綿(きせわた)」をした菊が生けられていました。
重陽の節句の前日に菊の花に綿をかぶせ、菊の香りのする露を含んだ綿で肌を撫でて身を清めたりします。邪気を祓い長生きする効能が菊にはあると古来より信じられてきたゆえの習わしでしょうね。
奥の座敷で、参加された方々と、楽しくおしゃべりなどしながら、菊の節句にちなんだ、手作りのお料理を頂きました。
年代を感じさせる調度類に囲まれての、心のこもった食事は終始和めるひとときでした。
最後にお菓子とお抹茶をよばれたのち、お茶室見学。
凝った造りのお茶室でしたが、もっとも目に留まったのが、こちらのトユです。銅で出来ているそうですが、竹を模したデザインが施されていました。
社訓
お仏壇では、小坊主さんがうたた寝中でした。
もちろん、打ち鳴らすための木魚は別に置かれていて、安心しました(^^)
生活されている町屋の温かみが感じられる見学会でした。
- by zuzu
- at 11:28
comments