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2012年07月22日

祇園祭 その5 橋弁慶山

16日 蛸薬師通室町東入るにある橋弁慶山は謡曲「橋弁慶」を題材としていて、牛若丸(義経)と弁慶が五条大橋の上で戦う姿をあらわしています。7-848.jpg7-845.jpg
巡行の際は、牛若丸が橋の擬宝珠の尖端に左足の足駄の前歯で立つ姿となります。
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よく知られている話では、弁慶が千本の刀を集めんと五条の橋に出没するという設定ですが、能では、牛若が通行人を切って廻った事になっています。

五条の橋7-844.jpg
当時の五条通は、現在の松原通りにあたります。
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狂言の演目の中に、「鬮罪人(くじざいにん)」というものがあります。室町時代、お当番の主人が今年の山の上の出し物を町内の人と相談する様子が描かれています。

主人が牛若と弁慶の五条橋の決闘にしてはどうかというと、皆は賛同するのですが、太郎冠者がそれはすでに橋弁慶の町内がやっている」と口を挟み、また鯉の滝昇りはどうかという提案には、それも鯉山の町内が龍門滝をやっていると太郎冠者が口を挟む。
では笛、太鼓の囃子ものはどうかというと、また太郎冠者が、囃子ものは昨年、隣町がやって音が揃わず京都中の物笑いだったと言い出して、なかなか決まらない。
太郎冠者によい思案があるのかと尋ねると、地獄で、鬼が罪人を打ち据えるというのはどうかという事になり、それでいいだろうと皆が賛成して演者をくじ引きで、決める事になります。主人が罪人、太郎冠者が鬼となってしまい、太郎冠者は罪人役の主人を強く打ち据えます。怒る主人とすねる太郎冠者、なだめる町衆。
しまいには突き飛ばされた主人が怒って太郎冠者を追いかけて幕引きとなります。

この事から、当時すでに、鯉山と橋弁慶山、囃子ものが存在し、また毎年趣向を凝らすお町内もあったことがうかがえます。

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