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2012年06月08日

第63回京都薪能

6月1日 恒例の平安神宮での薪能を観に行ってきました。7-952.jpg
ちょっと出掛けるのが遅くなってしまったので、今年は最前列無理かも~と思っていたら、出足が遅かったようで、ほぼ定位置をキープ出来ました。7-949.jpg
パンフレットを買って、これまた定番の茂山宗彦・逸平兄弟のサインをゲットしました。
茂山逸平氏7-944.jpg

茂山宗彦氏7-943.jpg
今年のお弁当は、和久傳さんの「むらさきの」です。7-951.jpg7-950.jpg
煮物が結構大振りです。ぱらぱらと通り雨が降り、お舞台はしばしシートに包まれましたが、開演時には晴れ、さわやかなスタートとなりました。今年は雨天 京都会館というパターンはやめて、元のように順延する事にされたそうです。まあ、会館だと薪能の風情が無くなってしまいますからね。
今年は源平衰退と題しての演目です。源の字の方が大きくて、演目も源氏寄りのような気がするのだけど・・・。
最初の演目は、金剛流の『安宅』です。都落ちした義経・弁慶一行が、安宅の関を突破するいわゆる勧進帳です。歌舞伎では何度も観ている演目ですが、お能で観るのは初めてです。
体格のがっちりした、金剛永謹さんの弁慶は、はまり役ですね。義経の郎党役で、息子の龍謹さんが出てらして、その小顔で、ほっそりした感じを眺めながら、二~三十年したら、お父さんみたいにがっちりするのかしらん?などと余計な心配をしてしまいました。
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結構風があって、なにやら、長く仕舞い込まれていた装束の匂いが漂ってきました。大勢の山伏が並ぶ演目は久しぶりなのかしらん?7-948.jpg
火入式が済むと、徐々に空の色が移ろってくる中で、観世流『二人静』です。薪の向こうの橋掛かりを進む静御前が揺らいで、まさに幽玄の世界です。一日目には、『吉野静』二日目は、『二人静』と静御前の演目が重なるのは、やっぱり風情と人気があるからでしょうか?

狂言『柑子』(こうじ)
こうじみかんを食べてしまった太郎冠者の言い訳に俊寛が出てきます?
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すっかり暗くなって最後の演目は観世流『碇潜』(いかりかずき)船出之習(ふなだしのならい)です。壇ノ浦での平家滅亡シーンです。二位尼や安徳帝が船に乗って出てきます。安徳帝が、女の子でとっても可愛かったのが、せつない感じです。

見えたる波の底に 竜宮と申して 
めでたき都の候 行幸なし申さんと。
泣く泣く奏し給えば 
さすがに恐ろしと思いしけるか 
龍顔に御涙をうかめさせ給いて 
東に向はせおはしまし 
天照大神に 御暇申させ給ひ 
その後西方にて 御十念も終らぬに 
二位殿歩み寄り玉體を抱き 
目をふさぎて波の底に入り給ふ

安徳帝入水を見届けた平知盛が大長刀を振り回し戦うも、
今はこれまでと碇の大綱をえいやと引き上げて、
兜の上に碇を頂いて海底に飛んでぞ入りにける~
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今年もつつがなく観劇できて幸せな限りです。平家物は、出来れば白峯神宮で行われる上京薪能の際に、崇徳院と西行の『松山天狗』を、寂光院で『大原行幸』を観てみたいものです。

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