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2010年07月02日

上田秋成 その1 終焉地

京都国立博物館において、『没後200年記念 上田秋成展』が7月17日(土)より開催されます。
怪異小説 雨月物語の作者として知られる上田秋成(1734~1809)は、小説家としてだけでなく、俳人・歌人・国学者としても多くの著作を残したようです。中学生の頃、少年少女文学全集の中の「雨月・春雨物語」を読み、その独特の世界にどっぷりはまり込んだ記憶があります。
 
雨月物語の中の「菊花の約」などは、兄弟の盟を結んだ友との再会の約束を守るため、約束の重陽節句の日の夜、自刃した男が幽霊となって現れる物語ですが、近頃の言い回しではボーイズラブとも取れるこの物語に、なにやらドキドキしたものです。展覧会情報を知り、忘れてしまっていた記憶が蘇り、この機会に上田秋成について調べてみる事にしました。

大坂に生まれた秋成は、前半生をこの地で過ごし、43歳の時に『雨月物語』を出版しています。60歳で京都に移住していますが、今から200年前の文化6年(1809)旧暦6月27日に、弟子の羽倉信美の家で息を引き取りました。数え76歳でした。p6668.jpg
寺町通広小路上るの梨木神社より少し南東の地にあったというその終焉の地の石碑が、梨木神社内 一の鳥居を入って左側にありました。p6667.jpg
幾分風化したその石碑はおどろおどろしげで、上田秋成らしく見受けられます。p6666.jpg
上田秋成翁自詠題書画
ふみよめは
絵を巻きみれは
かにかくに
昔の人のしのハるゝかな

と、書かれているようです。

最近、70歳の記念に桜にちなんだ和歌70首を書いた真筆の巻物が、関西の旧家で発見されたそうです。全長4メートルを超す大作は、5歳の時に悪痘にかかり、危篤状態に陥ったこともある秋成が、古希を迎えた喜びを伝えているそうで、今回の展覧会に出展される予定です。是非観て見たいと思っています。

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