2010年02月28日
織部の日
2月28日は岐阜県土岐市により、織部の日と制定されています。
慶長4年(1599)2月28日伏見の古田織部邸において、茶会が催され、その際に「へうげ」た茶碗が用いられたという事が、博多の豪商・神屋(谷)宗湛の茶会記『宗湛日記』に記載されていた事に由来しているようです。
この日の「宗湛日誌」に、「初出のセト茶碗、ヒツミ候也、ヘウケモノ也」と記されているそうです。
「ひょうげ(瓢化)た」というのは、「おどけた」「ゆがんだ」といった意味です。この焼き物が、後に織部焼と言われるようになったものです。
古田織部さんの墓などは、以前に紹介しましたが、ご近所にまだ、織部さんがらみのネタがありました。
墓のある興聖寺(堀川上御霊上る) の向かい、水火天満宮のお隣の大應寺 (だいおうじ)境内に織部稲荷社がありました。
お寺の鎮守社で、古田織部正が伏見稲荷から勧請(かんじょう)したものだそうです。開運福徳の神として、また織物技術上達の神として土地柄から西陣織物業者の方々の信仰を集めているそうです。2月・8月・11月には織部稲荷奉賛会によって祭祀が行なわれています。
北野の天神さんの三光門手前東側の植え込みの中には、織部形石灯籠というものがあります。
古田織部の墓に立つ灯籠に似ることから 『 織部形灯籠 』 と呼ばれ、茶人が好んだ石灯籠の形式のひとつとされています。下部に立像を浮彫にしています。これを地蔵信仰に似せた隠切支丹の尊像と見て、マリア灯籠とか切支丹灯籠とも言われるようです。
また、和菓子に織部饅頭というものがあります。薯蕷饅頭の上に、織部釉の緑を表し「井桁」の焼き印を入れたもので、茶会などで頂いた事があります。
御流儀によっては、炉開きのお席で「織部」の物を、何か一品使われたりするしきたりがあるそうで、お菓子で織部を表現することもあるようです。
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- by zuzu
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- in 009京都 洛中
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