2009年10月30日
香道
10月30日は香りの記念日です。
平成4(1992)年、七尾市で第7回国民文化祭「世界の香りフェアIN能登」が開催されたことにちなみ、石川県七尾市が制定しました。
七尾市のシンボルにもなっている丁子は、香辛料や薬として利用されているクロープのことです。
という訳で、日本における香りの歴史を少し調べてみました。
推古3年(595) 香木が淡路島に漂着して以降、仏教に利用されるようになったと日本書紀にあります。それ以前に仏教と共に伝わっっていたのではないかとも云われています。
天平勝宝6年(754) 鑑真和尚が渡来の際に、蜜を用いての合香〈あわせこう〉の方法を伝え、これが薫物〈たきもの〉として発展してゆきます。
薫物とは、現在も用いられる練香にあたり、沈香や丁子・白檀・甲香などの香木を粉末にして、好みに応じて麝香(じゃこう)などを加え、梅肉や蜂蜜で練り固めたものです。
天平勝宝8年(756) 聖武帝崩御後、遺物として「蘭奢待(黄熟香)」が正倉院へ納められています。
平安時代以降、貴族達の楽しみとして、衣服・髪・手紙等に香をたきこめるようになります。
左大臣藤原冬嗣が、「梅花(ばいか)」「侍従(じじゅう)」・「黒方(くろぼう)」の三種の薫物〈たきもの〉を創案し、「荷葉(かよう)」「菊花」「落葉」もこの頃、作られたようです。
これらを、特に「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼び、現在にも伝えられています。
薫物の香りをたき較べて鑑賞し、優劣を競う「薫物合」(たきものあわせ)という貴族の遊びへと発展していきます。「黒方」「梅花」「荷葉」「侍従」は源氏物語にも登場しています。
鎌倉時代には薫物から沈香へ移行してゆきます。禅宗の影響等により、練って作る薫物よりも沈香という香木を薄片に削ったものを加熱して芳香を楽しむ方が武士の嗜好に合うようになったのです。
そして、二種以上の香木を用いる「組香」(くみこう)に発展し、「名香合」(めいこうあわせ)といわれるものになります。
室町時代の東山文化のころ、茶道や華道が大成するのと時を同じくして作法なども大成されてゆき、現在の形に近いものとなったようです。
下京区堀川通西本願寺前の薫玉堂(くんぎょくどう)さんでは、「香道」体験を気軽に楽しむ事ができます。
歴史を教わったあと、香室にて「三種香」を、体験します。
三種類の香木から、それぞれ3つの薄片を切り取って、9個の包みを作ります。
それらの香包みの中から無作為に3つの包みを取り出して、それぞれの香を聞きます。
一回目から、3回目までに同じ香りのものがあったか、全部同じか、もしくは全部違う香りであったか?を聞き分けるというものです。
座敷に座った人たちが順に香を聞いて、3つの香炉を隣に廻してゆきます。
記紙(きがみ)に三本の縦線を引きます。
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右から、一回目、二回目、三回目の意味です。
そして、同じ香りであったと考える回の線の上を横棒で繋ぎます。
組み合わせは5通りです。
それぞれに名前が付いていて、香の図の下にその名前も記載します。
確率は5分の一ですから、初心者でも、まぐれであたるかも?と期待出来たりします(^^)
よくデザインとして見かける「源氏香之図」は、5種類の香によって聞き分けるもので、52種類の図に源氏物語の巻名がつけられています。
- by zuzu
- at 09:06
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