2009年03月10日
本隆寺 千代の井
智恵光院通の五辻上がったところ、雨宝院のお隣に、法華宗の寺 本隆寺があります。
応仁の乱の後、延徳元年(1489)に四条大宮の地に日真上人によって開創されたが、法華一揆の際、焼き討ちにあい、天文11年(1542)に堀川一条に再建。さらに、天正12年(1584)、秀吉の聚楽第造営により、現在の地に移転された。と読んだ本には、書いてありましたが、高札とは、微妙に違うみたい?画像の拡大
夜泣止の松
本隆寺は、尼寺五山の1つに数えられる禅宗のお寺、景愛寺の旧跡と伝えられています。開山は如大和尚。出家前の名は、城陸奥守泰盛の娘で、千代野姫といい、金沢越後守貞顕の妻となり、その後、足利讃岐守貞氏の夫人となった人です。鎌倉では、仏光国師に師事、京では、東福寺の聖一国師に師事したそうです。その如大和尚が、悟りを開いたという井戸が、こちらに残っています。
とにかくにたくみし桶の底ぬけて
水たまらぬは、月も宿らず
大尼は、この井戸の澄んだ水を汲み、茶をのむことを楽しみとしていたそうです。月夜の夜に、つるべの綱をたぐり、からからと、音をたてて上がってきた桶の中には、澄み切った水にゆらゆら映る月の影。
想像するに、少しどきどきする想いがしたのではと感じられます。
子供の頃、私の住んでいた路地には、井戸がありました。あのしっとりと水分を含んだ綱を、手繰り下ろすと、暗い井戸の底から、ゆらゆら輝きながら上がってくる、つるべは、とても甘美なものでした。
月など写っていたりして、それを飲み干せば、なんともいえない感覚に襲われることでしょう。
その桶の底が一瞬に抜け、井戸の中に大きな水の反響が起こったりしたら、さすがにハッとすることでしょうね。もっとも、そこで、悟りを開くのは、凡人には難しいかもですけど。(^^)
- by zuzu
- at 14:40
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