2007年10月18日
10月16日 狩野永徳 展覧会
10月16日(火曜) 『狩野永徳』展覧会(10/16~11/18)を観に、国立博物館に行ってきました。
博物館は月曜休館なので、美容業界ではあらかじめこの日は何があっても行かなくてはと予定しておかないと、見逃してしまいそうになります。行列に並ぶのも疲れるので、朝一から勢い込んで、出かけました。すんなりと入場でき、まずはほっこり。音声ガイド片手に、スタートです。まずは花鳥図襖絵 梅の幹にとまる二羽の鳥。一羽が片方の羽を広げ、なにやら指差しているかの様子で、もう一羽が何?ってといった感じでそちらを見ている絵です。春のおとずれとその喜びを感じさせるその筆使いに、思わず「春だー♪てりたまだー♪」なんて噴出しをつけたくなるのは、私だけでしょうか?永徳さん、ごめんなさい。
会場半ばの部屋には、洛中洛外図屏風が展示されていました。今、大河ドラマで話題の上杉謙信に贈られたという6曲一双の屏風です。この屏風には2485人の人物が描かれているそうです。男1968人、女354人、幼児125人、不明38人(この時代にも、男か女かわからない人がいたのか?っていう事ではありません。剥落していたり、部分的だったりして、判断できない人物だと云う事です。念のため。)です。展示ケース越しではこの絵の魅力は伝わりにくいかと思われます。拡大鏡を持っていって、目の前でじっくり眺めないことには、細かすぎです。これを陶板壁画にしたものが、京都アスニーと清水団地のギャラリー洛中洛外に常設してあるので、じっくり、ゆっくり、細部を観るには、便利です。ともあれ当時の都の風俗を知る貴重な資料である事は間違いありません。ちなみに右隻の四曲(右から4つ目)右下の方に髪結床が描かれています。上半身裸で、散髪中です。
本物を観たのは多分始めてかと思いますが、400年前に描かれたにしては、状態の良い作品でこのようなきらきら雲の屏風に囲まれてお酒を飲んだりしたら、黄金の国の都を我が物とした気分に浸れて、酔いも回りそうですねぇ~。数ある洛中洛外図の中でも人物表現の生き生きと描かれた様は、話し声まで聞こえてきそうで、歴史好きの私としてはタイムスリップした気分で、楽しいものです。和室にお持ち帰りしたい~って、入らないか?せめて、ガクトがこの屏風を両側に立て、真ん中に座って、京の都に思いをはせる姿を見たいなぁ~。でも、これが謙信に贈られたのは、川中島の戦いよりさらに後の事ですから、無理ですねぇ。番外篇、その後の謙信、放送してほしい~。
最後の部屋へ入ると、これまでの緻密さはなんだったんだ~というほどのダイナミックさで、唐獅子が迫ってきます。乱世の時代に生き、信長や秀吉と渡り合い、長谷川等伯を退け、狩野派を不動のものとしようとし、過労死したともされる永徳の人となりを想像してしまいます。
そういえば、お隣の智積院に栄徳亡き後、長谷川一門の手がけた、桜図、楓図などが展示されています。楓図に無常観の感じられる様が、またよいものです。今回の展覧会の、続編として観るとまた歴史の流れを感じさせて、感慨深いものがありますねぇ。
- by zuzu
- at 17:17
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